マーベルライバルズ:プレイヤー数がピークから85%減──それでも“終わり”ではない理由
『Marvel Rivals』はリリース直後の2025年1月にピークを迎えて以降、9か月以上にわたってプレイヤー数の減少が続いています。合計で約85%減という厳しい数字ではありますが、これは“終わり”を意味しません。むしろ、タイトルが“定常運用”へ移行するための地ならしとも言える状況です。
プレイヤー数の推移
2025年1月に同時接続64万人超という最高記録を樹立。その後もシーズン更新を重ねていますが、2025年9月(シーズン4配信後)は131,528人がピークで、8月比で10%超の減少となりました。7月→8月→9月と段階的に落ちている一方で、極端な“急落”ではなく緩やかな“収束”のカーブを描いているのがポイントです。
「85%減」は致命傷ではない
新作F2Pのヒーローシューターは、ローンチ直後に大きく膨らみ、その後コア層へ収束するのが定石です。『Marvel Rivals』もまさにこの型で、初期の“物見遊山”勢が抜け、ファンが残るフェーズに入っています。人気コミックIPの吸引力と、継続的なシーズン運用計画がある限り、プレイヤー基盤を維持・再拡大する余地は十分にあります。
Steamだけでは全体像は見えない
同接の参照としてよく使われるSteamの数字はあくまでPCの一部プラットフォームに限定された指標です。本作はEpic Games Storeやコンソールでも展開されており、総合の同接は全プラットフォーム合算で20万人規模に達していると見られます(推定)。プラットフォーム分散は可視性を下げる反面、ユーザーの裾野を広げるというメリットもあります。
現状の課題と、定着の手がかり
- 課題:ジャンル的嗜好の分散、メタの硬直、シーズンごとの浮沈など。数値上は減少トレンドにあります。
- 手がかり:シーズン/イベントの継続投入、PvEなどモード多様化、人気ヒーローの追加・調整、報酬エコノミーの磨き込み。
重要なのは、短期的なピークではなく、“戻ってくる理由”を用意し続けられるかです。コアファンの体験価値(マッチ品質、バランス、報酬満足度)が上がれば、同接は底堅くなります。
they should release marvel rivals 2 to revive the game https://t.co/m3q3bOPUxu
— bogur (@b0gur) October 13, 2025
マーベルライバルズを救うために「マーベルライバルズ2」をリリースすべきというジョークも
NetEaseの“長期戦”シナリオ
運営元のNetEaseは本作に対して長期的な投資計画を持ち、継続運用の意思を明確にしています。短命タイトルと異なり、“時間を味方につける”運営設計であれば、85%減という初期の揺り戻しは想定内の現象です。定着層の満足度を上げ、イベントや大型アップデートで再起動のきっかけを作っていくことが焦点になります。
なぜ「今」は悪くないのか
- 期待値の正常化:ローンチ直後の過熱が落ち着き、運営とプレイヤー双方の現実的な期待値が揃いました。
- 信号の見極め:短期の急伸より、継続率・復帰率・課金継続率などの質的KPIへ注力しやすくなりました。
- 運用の最適化:モード/マップ/ヒーロー/報酬のPDCAを回しやすい安定フェーズに入っています。
まとめ
数字だけ見れば、『Marvel Rivals』はピークから約85%のプレイヤーを失っています。しかし、これは多くのF2P対戦ゲームが通る“収束”のプロセスでもあります。Steam単体の数値では全貌が見えない上、全プラットフォーム合算では同接20万人規模という健全な水準も見込めます。NetEaseが長期運用を見据えている以上、今はむしろ基盤固めと再加速の準備段階です。ファンが残り、戻る理由を設計できれば、この下り坂は“助走”に変わります。
本稿は提示データ(ピーク64万人、直近ピーク131,528人、85%減、全プラットフォーム推定20万人規模など)に基づいて構成しています。プラットフォーム別の公式同接はすべてが公開されるわけではないため、一部に推定・一般的傾向の解釈を含みます。